フローズさんちのＰＣ事情
今でさえ痛みに震えるこの腕では、尚一撃を受け狙い放つ事はできないだろうから。
引き金も引けない程でも、絶つ術がある限りは…
応える様に持ち上げた銃身が滑り落ち、地に跳ねる音を微かに聴いたのが最後、結果を見届けられず、何もかも全てが白く飛んだ。
引き金も引けない程でも、絶つ術がある限りは…
応える様に持ち上げた銃身が滑り落ち、地に跳ねる音を微かに聴いたのが最後、結果を見届けられず、何もかも全てが白く飛んだ。
【独白】 『黒』想う『黒』 ｖｉｅｗ，ユキギエ
目覚めたのは、見知らぬ部屋。
昏睡からゆっくりと浅く持ち上がる意識が、捕える傍らの存在。
不自然にぼんやりと薄い感覚のなかで、手を取られたような気がした。
都合のいい夢を見ていると思いながら、もう一度眠りの中に落ちる。
目覚めても同じように傍らに在ったのに、酷く驚いた。
ああ、やはり俺は“生かされた”のか。
あれだけの痛みを浴びせられ、意識が白く焼けても、この心臓が止まらなかったのは、何か仕掛があったからだろう。
どんな相手であれ“生かされる”など、気分の良い話ではない。
それでも……
これで、琴璃との“約束”を、嘘にしなくて済んだ。
それだけは、素直に感謝してもいい。
俺は、絶つ事が出来たのだろうか。
あの時、最期を望んだ、貴方を。
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不思議と、憎いとは思っていなかった。
それでも、ラインを危険に晒した事に対する怒りは、消えていなかった。
それとはまた別に、俺と良く似た臆病さを抱えた彼女が、ただ哀しい。
対峙して、嫌でも気付かされる。
向けられたのは、弱みでもある“痛み”を与える事を狙う術ばかり。
貴方が『壊さず止める』なんて考えて居たんだろう事は、想像に難くない。
最後まで、どこまでも、甘い。
どれだけの“痛み”を浴びせられても、それは“通り過ぎて行く痛み”でしかない。
この身が切り裂かれ焼け爛れ、生涯“残り続ける痛み”に苦しむ事も、覚悟はしていたのに。
向けられた想いに応えられそうにないから、せめてこれ以上貴方を痛める事はしたくなかった。
俺の刃が与える痛みと、貴方自身の行動が貴方の心を痛める事を、可能な限り少なく終わらせる為に。
『……いい加減、討たれてくれませんか』
そう零したのは、確かに余裕もなかったからでもある。
隠し果せるはずの意志は、伝ってしまったようだ、それも互いに。
それどころか、貴方は、この後ギルドの目を欺くに足る状況を整える事すら、恐らくは。
だからこそ、気付いた意図に従わなかったのだろう？
結局の所、これも互いに。素直に救われてやる気など、さらさらなかったのだから。
苦痛をやり過ごすまでの時間稼ぎ。
他に方法は幾つかあったが、会話を望んだのは絶ち切れない甘さ。
それに応えたのは、負けず劣らずの…。
『色々保障があるなら討たれてもいいんだけどね。』
“報復を” それが既に形だけの物に成り果てているのも、とっくに気付いている上で重ねるなら、その応えも形だけだと理解されると分かっているのか？
保障だなどと、互いに受け答えが解りきっている応酬は、最早ただの戯言だ。
そんな戯れを交わす事、それを厭う気が生まれないのは、やはり互いの甘さなのだろう。
無理矢理に突貫して来た事も、そうだ。
証拠の一つもなく、確かな事だと解ってしまう。
俺の手で絶たれる事を望んだと、手に取るように感じられた。
本当に仕方のない、そこまで思われる事をした覚えもないのに。
見せたモノなど、対峙の最中の一撃一撃に込めた、「この一撃で」という殺意だけの筈だ。
早く仕留めてしまいたかった。
出来る事なら一撃で、命が絶えるまで時間も掛からないように。
何故こんな関係になった後まで、こうも通じるのかと、いっそバカバカしくなる。
叩きつけられる“痛み”を厭うよりも、いっそ溜息でも吐きたいくらいだった。
だから、きっと、痛みに囚われ繕う余裕もなく、そんな表情をしていたのだろうと思う。
そんな顔を見せてしまったら、“彼女”の想いを受け取ったと言っているようなものだ。
それは突き返すべきものだ、解ったのなら尚更に。
他の誰にも見えはしない、互いに見せもしない、そんな場所で通じ合った想いなど…
初めから在りはしなかったように、深い所に沈んでいれば、それでいい。
もし、あの時。
貴方が大人しく討たれてくれたなら、この身がどう尽き果てようとも、少なくとも“弟”と“似姿”を救えはしたのだと、満ちて逝く事が出来たのに。
また一人に戻って、女神の名の下に抗い、守り続ければ良いと。
それなのに、結果は、寧ろ救われたのは……
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……本当に。最後まで、厄介な人だ。
どうせ消える事も互いに望みの内、ならばあの時、共に尽き果てる事すら救いの内。
『そろそろ決着を如何です？』
嗚呼、並みの口説き文句よりもよほど甘ったるくて、胸焼けがしそうだ。
傍ら、ベッドに凭れかかり転寝をしている“弟”に起きたと伝える為に、あまり驚かせないようにそっと手を伸ばし、触れる。
まずは、俺が寝ている間に何か無かったか聞いて、それから、探してくれた礼を言わなければ。
もう一人の黒の行く末は、動けるようになってから、確かめればいい。
それに、あの時に絶ち切れなかったのだとしたら、いずれ何らかの接触はある筈だ。
ここ暫く、明るい場所に行く事が無かったせいか、彼女の気楽そうな笑顔が懐かしい。
そういえば、「三人でお茶でも」なんて話もあったような気がする。
動けるようになったら、手紙でも出してみようか。
もう俺自身に出来る事などない、なら、暫くは休んで居てもいいだろう？
そして、この身が“自由”になったなら、一緒にどこかへ出掛けましょう。
イメージソング「太陽と月のロンド」
うたってみた／http://www.nicovideo.jp/watch/sm12923686
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オマケ
イメージソング「太陽と月のロンド」
うたってみたシリーズ視聴記録（ニコ動ばかりですみません）
あまりにも 影雪 にしか見えなかった
（イラストと言い声といい、あまりにも嵌り過ぎた）
（影＝ブラッキーちゃんの男性化時イメージ）
http://www.nicovideo.jp/watch/sm12923686
声のイメージが 黒初 だった
（初＝初花 ユキギエの女性化時イメージ）
http://www.nicovideo.jp/watch/sm12884844
あまりにも 若かりし日のトラドールと少年時代あるみゅん（もしくは男性化ダイン） にしか見えなかった
（イラストだけが、です。キャラデザのイメージが）
http://www.nicovideo.jp/watch/sm12923683
[0回]
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ＨＮ：フローズ（フローズヴィトニル）
メインＰＣ：バレット・リング
重篤なバレットおにーさん中毒者。
ユーフェミア＆レオポルドｏｒエレナ＆ディリーを復帰させたい。
悪役PCをやりたい病・新ＰＣを入れたい病・イベントを起こしたい病に掛かっている。
ペティット参加者様に限り「リンクフリー」＆「うちの子ご自由にお使い下さい」
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