WIM ver.ユキチヨ

“世界で一番お姫様”
「世界で一番お姫様」？

そういう扱い覚悟していて下さい
そんな扱いされても私は戸惑ってしまうだけ

その１
 いつもと違う髪型は勇気がいります
「寝癖が付いてますよ」跳ねた髪、撫でてあげます

その２
今日は帯も変えてみましたが どうでしょう？
新しい帯？「それも似合っていますよ」

その３
 思わずこぼれた本音は聞き逃してください
貴方の一言には３つの言葉で返事をします

それじゃほら、右手が空いてるなら、繋ぎませんか？
恥ずかしいですが右手があいてるのはアナタのため

別に何でもないって口では言いますが
まぁね、強がってる事も分かってます
本当はどう伝えていいのかわからないこの気持ち
ああ、貴方はどうして、そんなにも可愛いんだ

「世界で一番お姫様」？
言わないでそんなこと
 本気かどうかわからない
“世界で一番お姫様”
気が付いて下さい
恋敵の多さに

貴方は私の“運命”です
 私はただの町娘です
そういうロマンスは寓話の世界だけのもの
好意を持つほどはぐらかす悪癖
 …だったはず
すみません…

（check　１，２，）（haa―――）

欠点。そればかり目立ってしまう自分に自信が持てない
欠点？ 愛嬌の１つでしょう　それが貴方のすべて
えっと、私でいいんですか？ホントに？
あの、私の話、ちゃんと聞いてましたか？

あ、それから、
え？　何です？
白いお馬さんはいりませんよ
白い馬ですか？やり過ぎでしょうか？
憧れるけど…アナタが来てくれればそれでじゅうぶん！
…わかりました。何度でも、貴方が望む限り訪れましょう

もう少し我侭だって良いくらいなんです
すぐに恥ずかしいこと言わないでください
だけど、イヤじゃないです。嬉しいです。言えないけど
だけど、強がるならもっと赤くなるまで重ねましょう

“世界で一番のお姫様”
守る為には手段を選んでられない
アナタが私だけの王子様？
 そんなことわからない
 そうだといいなと思うけど

これだけ愛されてる貴方なら
掴みどころのないアナタが王子様？
お願いだからはぐらかさないでくださいっ
何時かは、そう、気が付くと恐れてる

絶対アナタはからかってる
楽しんでいる…
絶対貴方は気付いてない
知られたくない…！
（本当は貴方が思うほど余裕なんてないんですよ）

苺の乗ったショートケーキ
こだわり卵のとろけるプリン
こんなにたくさん渡されても私ひとりじゃ食べきれません
冷蔵庫の中眠ったまま？コレばっかりはため息だ

私にだってやれば出来る
そうです貴方はやれば出来る
暗示だけはいつもしてるけど
少しだけ覚悟して置きましょう

わかっています　
当然です
だって貴方は
そう、私は

「　“世界で一番お姫様”　」

そろそろ聞き飽きました
冗談はもう通じません
余所見をしたまま
勝手に走り出さないで

急いで捕らえ強く抱き締める
ふいに抱き締められた。 急に。そんな、えっ？
「轢かれます。気を付けて。」
 いつもと違う普通の台詞
今更普通の台詞は
なんだか照れ臭いです
……これは心臓に悪いです…
 

[1回]