「魔法仕掛けの進化論には、ダーウィンだって太刀打ちできない」

そんな前置きを前記事と共通に。
そもそも中世とは何なのか、いつまでなのか。
近代とはいつからなのかを、考証おまけ記事として簡単に攫えて行こうと思います。
「大航海時代」「イタリアの大ルネッサンス」「十字軍遠征」「フランス革命」どれもこれも、魅惑的なロマンの香りがする言葉です。

けれど、この中で“間違いなく中世である”と言い切れるのって、「十字軍遠征」だけなのですよね…。

中世とは何か

古代と現代の過渡期、古典古代の失われた暗黒時代、ルネサンスを経て啓蒙時代に至る以前の時代。
広義においては世界史の、狭義においては西洋史の時代区分の一つで、古代よりも後、近世よりも前の時代を指す。
封建制社会が確立していった９世紀から、絶対王政による強大な中央集権国家を築き上げた１６世紀末頃までとするらしい。
しかし、西洋史における中世は、一般に５世紀から１５世紀、なのだそうだ。
西ローマ帝国滅亡（476年）あたりから、東ローマ帝国滅亡（1453年）あたりまで。
中世とは、死にかけたローマ帝国が完全に滅亡するまでの期間の事なのかも知れない。

中世初期（Early Middle Ages、500年頃から1000年頃）ゲルマン民族の大移動（蛮族の侵入）
中世盛期（High Middle Ages、1000年頃から1300年頃）十字軍、教皇権が世俗王権と争う
中世末期（Last Middle Ages、1300年頃から1500年頃）ルネサンスの興隆や百年戦争

近世とは何か

ルネサンスから絶対王政の時代までを近世と呼ぶ事が多い。
凡そ１６世紀から１７世紀にかけてのことである。

近代とは何か

ルネサンス・宗教改革・大航海時代あたり（15世紀～16世紀前半）から、市民革命・産業革命の時代の前あたり（18世紀後半～19世紀初頭）までを指す。とある。
つまり、近世も近代の中に含まれるという事だろうか。
よく分からなくなってしまいそうだが、１７世紀・１８世紀は丸っと近代という事で良さそうだ。

イタリア・ルネサンス

一般的にルネッサンスと呼ばれるもの。大ルネッサンスとも。
ルネサンスというその名のとおり復興の時代、そして中世から脱却する過渡期の時代。
イタリア・ルネサンス以前の時代にも、古代文化の復興運動は存在する。
「カロリング朝ルネサンス」「マケドニア朝ルネサンス」「パレオロゴス朝ルネサンス」「12世紀ルネサンス」など、何れも中世の中で起こった出来事である。

ルネサンスの三大発明

ただし『三大改良』と呼ぶのが正しい。
「活版印刷術、羅針盤、火薬」全て、大ルネッサンスの以前から存在する技術である。
また、印刷を受ける媒体である紙についても、日本など極東方面ではそれなりの製紙技術が存在するので、現実以上の輸送手段と通信手段があるファンタジー世界でなら、技術が伝わっていてもオカシイというほどではないかな。
それに、もしかしたらどこかの錬金術師が西洋製紙を発明しているかもしれませんし。
でも、まぁ、本とかはそれなりに高級品ですよね。たぶん。
火薬もきっと黒色火薬からニトロ系に移行するまでの間に、何かもうちょっと過渡期的な品があっても良いのかも。
羅針盤は…　方位磁石でお願いしたいですね。持ち歩きに邪魔だ（笑）

大航海時代

１５世紀中ごろから１７世紀中ごろまで。
ヨーロッパ人によるインド・アジア大陸・アメリカ大陸などへの植民地主義的な海外進出をいう。
そして多くの商船や客船が海に乗り出した事により、それを狙っての海賊の跋扈が起こり、海の治安を守る為に海軍が発達し、また敵国に対しての海賊行為を国家財産の元とするために私掠船という習慣が登場します。

私掠船
１６世紀の英国に始まり、最盛期は１８世紀の英仏戦争中。
スペインの無敵艦隊や大海賊フランシス・ドレーク等、多くの有名な海賊や提督の武勇伝が残っているのは、主にこの時代の出来事です。

海賊のこと

真っ先に思い起こされるのは、やはりカリブの海賊でしょうか。
彼らは「バッカニア」と称される、スペイン領を中心に荒らしまわった海賊です。
無法者ながら「老人や子どもの捕虜には乱暴しない」など独自の掟を持ち、襲われた船員が転向するケースもあった。
創作などでイメージする所の“格好イイ海賊像”を生んだのは、彼らバッカニアです。
「バッカニア」の名前は、日干し肉（buccaning）を航海食として利用したことに由来。
また、「降伏すれば命は保証、抵抗すれば皆殺し」の印である海賊旗（ジョリー・ロジャー）は18世紀になってから使われだしたもの。

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